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つらいのは病そのものではなく、病を受け入れられない自分

こんにちは、りえです。

 

小林麻央さんの訃報に接し、いろいろな気持ちが千々乱れていましたが、ようやくブログを書こうかな、という気になってきました。

 

お子さんの成長を見届けられなかったことは、残念だと思うのですが、

彼女は彼女なりに充実した人生を送ったのではないでしょうか。

まったく話したこともない麻央さんに対し、そう思えるのは、そう思わせるように彼女が発信していたから。
そして、自分の言葉で発信していたということは、自分の病をしっかりと受け入れていたんだな、と思うからです。
受け入れて、客観視していなければあんなふうに発信できませんものね。
当院には色々な事情を抱えた方がいらっしゃいます。
目的がはっきりしている方はいいのですが、そうでない人もたくさんいます。
私の診察室で自分のことを話しながら、あるいはご家族のことを話しながらポロポロ涙を流す方ももちろんいらっしゃいます。
なぜ、私が?
どうしてこんなことに?
私も自分のガンが分かったとき、グルグルとそのループに入り込んでいました。
あるときふと、一番つらいのは思い悩んでいる自分なのではないか、と思い至り、そのループに入り込んだと感じたときには強制的に思考を止めるようにしました。
すると、置かれている状況が客観的に見え、自分の状況が受け入れやすくなってきました。
抗がん剤の辛さや術創の痛みや不快感、その中で、今の医学で解決できるところを一つずつ解決していくうちに病を受け入れられなかった自分を納得させられるようになってきた気がします。
本当に辛いのは自分がその病になってしまったことを自分が受け入れられないであがいていることかもしれません。
通院しているうちに、状況が初診時と大して変わっていなくても患者さんの表情が明るくなってくるのは、
結局自分がそれを受け入れたかどうかなんだなあ、と感じます。
こんなにも痛くて苦しいだろうに、どうして明るくいられるんだろう、という方もいます。
今はガンと診断されたときから緩和ケアは始まります。
あなたが今辛いのは本当に病気のせいですか?
あそこが痛い、ここが苦しい、それは医学で解決できませんか?
それが解決されてただ病であるという状況になってもやっぱり辛いですか?
だとしたら恐怖に囚われて、自分の中に生まれた鬼っ子に目をつむって歩こうとしているからあちこちぶつかっているからです。
鬼っ子はいずれ自分をくらいつくすかもしれない。でもどうせ生きていればどこか他から急に飛び出してくる鬼もあるかもしれない。生きていればいつか死にます。自分だけではなく、みなさん結局は必ず受け入れるのですから死を無駄に恐れることはありません。
怖いけれどそうっと目を開け、鬼っ子の手を引いて歩きましょう。
ときどき噛み付いたりして不愉快だけれど、自分が産んだ子です。しかも簡単に離れることはできない。
であれば、仕方ない私の人生に同伴させるしかない。
そうすれば周りが見えて、本当の暗闇からは抜け出せます。
ちゃんと目を開けて、自分の人生を歩きましょう。
別にそんなことができるのは精神が強い人間だからではありません。
仕方ないからでもいいじゃないですか。
病なんて鬼っ子連れて歩くのは本意じゃありませんが、しょうがない。
結構得られるものもあったりします。
といってもまだ私は鬼っ子に感謝できるほど人間できていませんが。
少なくとも、病気になって一番辛いのは
病そのものではなく、病を受け入れられない自分がいることなのです。

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